心を癒し輝いて生きるための楽しく優しい処方箋

美しく生きる。輝いて生きる。自分を生きる。Happy に生きる。その生き方のヒントと心と体の癒しの処方箋を届けます。

アルコール中毒からの生還とその後

〜ある日の出来事より〜

 

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6月の薫風がそよぐ
清らかな季節。
好きな作家の作品展でのこと。

 

 



オープニングをしない
個展だったので
静かな個展開催日の
初日を迎えた。

 

 

 

 

 

前日までは
作品展の準備で忙しく、
やり残したような気持ちが出てきて
落ち着かない。



 

前日までの、
展示作業が終わり、

 

 

 

初日に
自分の作品と向き合うのは
画家にとっては
とても貴重な時である。





アートは、
鑑賞者と作品の対話と
言われているが、


 

画家が
展示された作品を
自分のアトリエから
個展会場で
自分の世界を創り出すのが
作品展の空間であるから、

 

 

 


同時に
作家自身が
客観的に、

 

 

 

自分の作品と対峙する時
・・でもある。

 

 

 作家が、
作品展をする意義は
この点も大きい。




それをすることにより
客観的に自分を見つめ、
一歩明日に向かう
何かを掴み取る機会だからだ。

 

 

 


初日に、
個展作家は、
自身の友人と一緒に
来た。

 

 

 

その友人が、
ゆっくりと
一人で鑑賞中だったので、

 

 

私は、
画家と二人で、
外の景色を眺めながら、

 

 

 

「いい時期に個展でよかった」

「風が、気持ちいいわね」と

 話し合っていた。




その画家の絵は、
重層的に重ねられた色合いが
日々の営みの積み重ねのようで
好きな画家の一人である。

 

 

 *

 

 

 

ゆっくりと
鑑賞していた画家の友人が
カウンターに来て
話しの中に加わり、

 

 

 

コーヒを飲みながら
作品のエピソードなどを
尋ねては、
穏やかな空気感が漂う中で

 

 

 

作品が創る
非日常のアートの世界を
心が漂うような時を
楽しんでいた。

 

 

 

ふと会話が途切れた時、 

 

 

 

実は・・・と言って、

 

 


大きなバックの中から

 

 

大きな箱?を
取り出し、

 

 


その友人は
よいしょと言いながら
カウンターに、
デンと
置いた。

 

 

 

大きな貯金箱を!!!

 

 

 

「このお金で、あなたの絵を買いたい」

 

 

 

「ええええっ!?」

 

 

 

大きな貯金箱!
絵を買いたい!

 

 

 

突然の申し込みと
思わぬ申し出に
驚き
状況を掴もうとしている時に、

 

 

 

「今日こそ、あなたの絵を買いたい。」

「買いたいと思う絵に、出会ったの!」

 

 

 

 

 

 

 

 

実は・・といって、
話し始めたのは、

 

 

遡ること12年前の出来事から・・・。

 

 

 

 

「夫が亡くなってから
私、
寂しさのあまり、
お酒を飲み始めたでしょう・・・」

 

 

 

お酒に溺れていく友人の姿を
その画家は知っていて、
どうしていいか
わからないままの時が
続いていた友人がいる・・・と



画家が前に話してくれた友人とは
この人だったのことだった。




初日に、
 作品展を観に来たこの人が、
いつか話を聞いていた
アル中の本人だった!

 

 

 

考えていたイメージとまるで違う!
 

 

 

 明るく笑顔いっぱいの
人生を楽しんでいるという
年配の人だった。

 

 

 

 

 

 

コーヒーを飲みながら・・・

 

 

 

お酒に溺れ
アル中になった辛い過去が
あったということを、
自ら、話し始めたのである。

 

 



画家は、
すべて承知の仲で、
アル中の前も、

 

 


その後も、
今に至るまで、

 

 

 

 

友人を見守りながら
傍にいた人だった。

 



が、

 

 

 

絵を買いたいという申し出には
驚いて、

 

 

 

なぜ
絵を買いたいのか?
と、
微塵も
絵を買うとは言わなかった
友人に尋ねた。

 

 

 

 

仲がいいので、
個展を一緒に見てくれるだけで
嬉しいのに・・。



それが
画家の素直な気持ちだった。



アル中で悲惨な姿を知っている画家は
嘘のようなアル中からの生還を
知っているから、





そのこと自体が嬉しかった。
友達としてホッとして
また、



昔のように
一緒に笑い
一緒に泣き
一緒に話し合えることが、
何よりだった。

 

 

 

 


画家にとっても、
いつも傍で
絵を描くことを
応援してくれる友人に
励まされてきたからだ。

 

 

 

それだけで嬉しいのに、
なぜ、
絵を買いたいの?

 


それも、貯金箱で?

 

 

 

アル中になった画家の友人が
静かに話し始めたのは・・・。

 

 

 



 

 

 愛しいご主人が亡くなってから、

 

 

 

寂しくて、悲しくて、
眠れなくて、

 

 

穴が空いたような虚しさが
押し寄せて・・

 

 

冷蔵庫のビールを1本飲んだ・・と・
最初の1杯を!!

 

 

お酒が苦手でいながら、
心を紛らわすために・・・

 

 

 

こどもがいなかったこともあり
伴侶の死は
その先の人生の色が失せ、
寂しさと悲しみの波に
飲み込まれるようだったと・・・

 

 

 

話は続いた。

 

 

 

それから、
酔うことで忘れようと
忘れたいと・・・

 

 


毎晩、
お酒を飲み始めた。

 

 

 

看護師をしていたので、
最初は次の日に、
触らないようにと思いながら・・・

 

 

 

でも、
いつしか、
お酒の量が
どんどん増えて、

 

 

 

冷蔵庫には
いつもビールが満杯!

 

 

 

びっしりと冷蔵庫に
並んでないないと
落ち着かない。





冷蔵庫にはお酒しか
入っていない日が
何年も続く。

 

 

 

日本酒も洋酒も
忘れるならばと
その量が多くなっていった。

 

 

 

こんな飲み方をしていれば
アル中になるとわかっていても
やめられなくなり、

 

 

 

その量はどんどん増えて
看護師という仕事もできなくなり、
アル中治療の入院もした・・・

 

 

 

けれど、

 

 



退院すればまた戻り、
お酒から
全く離れられなくり、

 

 

 

体が崩れていくのが
止められなかった。

 

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すっかりアル中から
抜けられなくなっていた頃、

 

 

 

 

「もういいじゃないか・・」

 

 

 

と、

 

 


亡き夫の声がしたという。

 

 

 

悲しみから
お酒に気を紛らわして、
体を蝕まれてきた様子に

 

 

 

 

ご主人の、
もういいじゃないかと

 

 

 

いたわりの言葉が、
聞こえてきた。

 

 

 

「涙が溢れて、
泣いて泣いて泣き明かした・・。」

 

 

 

と、

 

 

話は続く・・・・。

 

 

 

が、

 

 

体は、
もう取り返しがつかない状態だと
わかっていた。

 

 

 

看護師をして、
何人もの患者を見ていたから・・

 

 

それから、

 

 

もう一杯と
冷蔵庫を開けようとすると、

 

 


声が聞こえて、

 

 

 

その声を聞きながら
苦しくてまた一杯。

 

 

 

が、
夫は、
喜んではいないという思いが
よぎりだし、

 

 

 

もう1杯飲みたいのを、
我慢できた日は、


 

500円玉を、
貯金箱に入れていったという。

 

 

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心の葛藤との戦いだった。

 

 

 

アル中という体が
要求するものを
断ち切るという戦い。

 

 



500円玉を入れながら、
入れられた日は、
自分を褒めて、

 

 

 

我慢ができたねと
体をさする。




そうして500円を
入れ続けていき、

 

 

1年経ち、2年経ち、3年経ち

 

 

お酒の量が減っていき・・・

 

 

 

何年かを経て・・・・

 

 

 

あれ?!
あれ?!

 

 

 

お酒を
飲まない日が
できたという。

 

 

 

飲まない日が、
多くなり、

 

 

 

飲まなくても
平気になり

 

 

けれど、

 

 

 

飲むことから
解放され、

 

 

 

飲みたくないと
思う日まで
長い月日が
必要だったという。

 

 

 

 

アル中からの生還!!

 

 

 

身の周りから
お酒はどこにもなくなった




お酒を飲まなくとも、
悲しみを受け入れられていた。


 

悲しみはなくなったわけではない。
悲しみを心に持ちながら
微笑みが生まれ




かつての楽しかった日々が蘇り
出会えたから、
その日々があったのだと・・・



様々な感情が溢れ出て、
重く押し込めていたものからの解放、
心が軽く
一緒にいた日々を
ありがとうと
思い出していった。

 

ご主人の笑顔を
思い出す日々に
変わっていった。

 

 

 

 

 

 

 

その後、



カンボジアなど
東南アジアの子供達支援活動に加わって
ボランテイア活動にいったり
動き出す。

 

 

 


その後、
アメリカ人の先生につき
腹話術を習うことに。

 

 

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そして

 

 

 

腹話術で、
老人施設や学校に、
健康の大切さを
伝え始め、

 

 

 

今に至るという
長くて深い

 

 

 

その人が辿った
人生という旅の
話だった。

 

 

 





長い話だが、
人の心の歩みの遍歴は
重みがある。

 



その500円玉で、
絵描きの友人の

 

 

 

「あなたの絵が買いたい」

 

 

 

との申し出だった。

 

 



画家は、
そんな貴重なお金を
いただけないと辞退。

 

 

 

すると、

 

 

 


「夫が望まない生き方をして
私は、かけがいのない命を
失うところだった。

 

 


この500円の貯金は、

 

 

 

命の大切さと、
命の守り役。

 

 


人間の生き方を
間違わないように
救ってくれた。

 



貯まった額で
旅行とか色々考えたけれど

 

 

 

一番望んだのは、
大好きな友人・あなたの絵を

 

 

 

買うこと!!!!

 

 



ずっとそばで
見守り続けてきてくれたあなたには、

 

 



感謝と、
私を助けてくれたことのお礼。

 

 

 


500円の貯金だけでなく
夫の声だけでなく
親友として
そばにいてくれたことも、

 

 

 

私にとっては
皆命の恩人だから・・・。」

 

 

 

 

「今までも、
絵を拝見してきたけれど、
やっと私の生きるテーマと
ぴったりの絵に、
出会ったのよ」

 

 

 


「だから、
足りない分は出すから、
貯金箱のお金で
買わせてほしい・・・」

 

 

 

 

  

どんと置かれた
貯金箱の重さは
生きてきた苦しみの重さ。



 

そして、

 

 

 

生きる歓びの重さ。

 

 

 

絵描きにとっても、

 

 

 

自分の絵が
そんな貴重なストーリーを
持ったお金で
買ってもらえることは、


 

作家冥利につきること。

 

 

 

「嬉しいけれど、

有難たいけれど、

光栄だけれど、

その価値に
値するかどうかと思う・・」

 

 

 

「だって、この絵は、

これからの人生を
最後までちゃんと生きるのに

応援してくれる絵なの、

にとっては!!」

 

 

 

持ってくるのに
重かっただろう二つの貯金箱。
十分その金額で、
大丈夫なほどの額だった。

 

 



長い長い戦いだったことが、
500円玉の数でわかった、

 

 

 

アルコール中毒からの生還。

 

 

 

笑顔は素敵だ!

 

 

 

 

 


互いに、
Hug!  Hug!  H
ug!

 

 

 

 

過去の悲しみと辛さから
喜びと平安を
受け止めた作品展の
美しい贈り物。




その場と
その時の
受けた染み入る思いは
忘れられない。



その人の人生の
エピソードは
私にも、
温かな贈りであった。

 

 

 

人間が
生きるという課題を、

 

 

どんなカタチで取り組まれるかは、
人それぞれ。

 

 


よかった!!

うれしい!!

ありがとう!!

 

 

感動の涙で
コーヒーで乾杯!

 

 

 

 

悲しみの極みから
乗り越えることの
厳しくも美しい結末を

 



時折、
思い出す。

 

 
その人が創る
その人の人生だと・・。
 

 

 

が、

 



その周りに
誰がそばに立っているかは
とても大事だとしみじみ思う。

 

 

 

Stand by you!!

Stand by me!!

 

 

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muan舎 主宰・ 立見 迪子 (たつみ みちこ) 

 

アート、絵本、通して、
人の心に触れ寄り添い、
一人一人が持つ 心の歩みと
心の話を聴く立場が
多くなっていきました。

 

深層心理学 繋がったのは、
自然な道行き だったと思います。

 

今ここにいる 「私」と「あなた」
その かけがえのない 命の存在は、
愛おしく尊いものです。

 

私は、人が好きです。

一人一人生きてきた歴史が、
まるごと愛おしいと思うのです。

 

その一人一人の存在が
星のような輝きを 放つことを願っています。

 

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