心を癒し輝いて生きるための楽しく優しい処方箋

美しく生きる。輝いて生きる。自分を生きる。Happy に生きる。その生き方のヒントと心と体の癒しの処方箋を届けます。

アスぺルガーの子どもとの日々

保育園の運動会の時、全く他の園児の動きと違う我が子の様子。
無感動の、無関係の仕草。初めて何かがおかしいと気づいたという。
その子の両親は二人とも高校の教師。

家にいるときは、
その歴然とした行動の違いには気がつく術がなく、
少し変だがこれが我が子の個性と思い、
わからなかったという。

 

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「変だと思ったのはその時」と
若いパパママは、淡々と話してくれた。


「調べなくては、色々と」と言いながら。

偉いなあと思ったことは、
母親が教師を辞めて子どもたちのそばにいることを選んだこと。
アスぺルガーの症状を持った幼い息子(sちゃん)の様子を観察し、
どのように接したらいいのか、
徹底的にその症状についての資料を調べたこと。

 

 

実際の子どもの様子を見ながら、
接していった若き両親の姿だった。
戸惑いや未知の不安などがたくさんあったと思うが、
そのような症状の全くない次男と、
分け隔てなく愛情を注ぎ、
淡々と言動を受け入れて接する様子は、
真似のできないものであった。

 


両親は、アート表現者であると同時に高校教師。
アートの無限の広がりの視点を持っていたことが
子どもを育てるときに柔軟な対応ができた要因だと思う。

 

 

毎日曜日は、家族で行動するのが慣わしであった。
というのは、その子が保育園児の頃から、
異常に魚に興味を持つ男の子で。
魚の図鑑を広げてみれが瞬時に隅々までインプットされ、
名前から属科から、採れる場所、特徴、大きさ、形色まで
全て把握してしまう。

 

 

図鑑に書いてある内容も
瞬時に頭に入ってしまう特殊の能力を持っていた。


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「この魚は?」と聞くと
一言一句間違わないで説明をする。
図鑑のその魚のページの隅々まで全部覚えていて
教えてくれるという能力には驚きだ。

 

それが魚釣りの興味につながり、
毎日曜日は海に釣り。
雨であろうが、雪であろう、猛暑であろうが、
海に行って魚を釣って、
家に帰って、捌いて、料理をするところまで
一連の流れをしないと落ち着かない
Sちゃんの要求を満たすためだった。

 

 

 

魚に興味がだんだん薄れていったのは
小学校を卒業するあたり。
中学校に入って、少しづつ違うものに変わったという。

 

 

面白いことに、若いパパは、
部活で忙しくなったSちゃんと次男が
日曜日に学校に行っている間
一人で魚釣りに出かけている。

 

 

「なんだかさみしいなあ」と言いながら。
それは、なんとも微笑ましい親子関係!だった。

 

ギャラリーに来ると、
テラスのテーブルの上に
拾った落ち葉や石ころを積んだり、
葉っぱをお皿にしてママゴトごっこ

 

 

ママとパパは、その遊びの付き合いをして
家に帰ると釣ってきた魚を必ず料理するのだという。
レシピ本を見て、その通りにしなくては・・・。
料理し、みんなで夕飯を食べる。

 

 

そこまでして初めて納得するとのこと。
一連の習慣とも儀式ともいえる流れ通りに。
お料理も、料理本に書いてあるレシピ通りに
作ることがその子の集中した行為だった。

 


将来は、料理人の道へと聞いたら
そうでもないらしい。
ただ魚に興味があっただけ!

 


そのしたいことにさかわらず、
将来、辞書の編纂かコツコツする仕事が向いているだろうから
その方向に持っていくにはどのようにしたらいいかを
淡々と話し会う若い夫婦であった。

 

先が見えないの不安を持ちながら
不安を前面に出して行動をしていなかった

良き方向、楽しい事、明るい先を
大事に笑顔でなんとかなると、、、。


 

いつも動じない淡々と楽しそうに話し合う夫婦。
いつ特技が変わるかもしれない。
興味が全く違うことであれば、
ただそれを初めから付き合ってあげる準備をいつもしていた。

 

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人の感情や情緒を
全く受け止めることができないタイプのアスペルガー
興味のあることだけに異常に熱中する。

 

 

熱中ということがではなく、
集中する度合いは、コンピューター以上の能力だと思う。
が、道路標識も読み込めず、
どうしたら安全かという意識すらない、

 

 

社会生活にはまだ対処できないことだらけながら
保育園、小学校生活と続いていった。

 



感情がないに等しい無感動。
こうだよと優しく教えるとそのおうむ返しでいうだけ。
言葉と言葉の間の情緒も感情も受け取れない。

 

 

ましてや文章の行間を深く見るということもできない。
その一つ一つを丁寧に説明していく作業も、
並大抵ではないことがよくわかる。

 



してはいけないことや注意をしなければならない時は、
目を見て「パパは今悲しいんだよ」という。
パパの目を無表情に見つめて、
おうむ返しに「パパは今悲しいの」と繰り返す。

 

それで、悲しいのだったら、それをやめるという行動が
しばらくして出てくるというような形で心を伝える

 

 

そばで見ていると、
いかに毎日の生活で、
言葉のキャチボールができるとできないとは、
コミュニケーションの難しさがあるということを知った。

 

 

「すごいね」
「いや、これしか方法がないからね」と

 


若いパパママの二人は、
苦にする様子もみぜず、
普通の仲良い愛情に包まれた家族が
楽しい我が家作りをしているとしか思えない。

 


また実際にそうだった。

 

 

二人の男の子たちの遊びは
見ていて独創的で面白かった。

 

 

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よく飽きずにママゴトらしき遊びを続けていたと思う。




我が家に来ると、
来るとすぐ庭で石拾いと葉っぱ拾い。
そしてお話をしながらその葉っぱに
美味しい料理を作ったと言っては
架空のレシピに舌鼓を打つ。

 

 

「おいしいですよ」「ありがとう」というと
「もうひとつ、いる?」と返事がかえる。
「はい、よろしくお願いします」というと

 

 

また、
葉っぱに色々と説明をして石を乗せて、

 

「はいどうぞ」

 


そんな遊びもだんだん遠のいて、
普通学級の小学生。
幸いなことに
先生がしっかりと対応される普通学校に
入学することができた。

 


周りの子供達も、
意地悪をすることなく一緒に学びあった学級は、
先生や他の父兄の協力があってこそ。

 

 

特殊な能力を持つSちゃんとして
楽しく交流をしてくれたことは
なかなかない周りの理解と応援と
教育者の質の高さだと思う。

 

 

感心するほど、
地域の意識が高い環境であった。
教師であったその若い夫婦が、
学校や、町内や、地域への
積極的交わりをしていたということも、
大きな要因だと思う。


助け合う
学び合う
支え合う
これは、大きな要因だと思う。


困った、大変だ、無理だ、どうしよう・・
案外、どうしたらその子が安全に、
生まれつき持った特殊能力を潰さないで
育てられるか?


その子を通して普通児と言われている子どもたちと
何が違うのか、普通がいいのか、
周りがその課題を真剣に思索してく過程を
教育現場の事例として書き加えていく努力が
その地域と周りにあったのは
幸運なことである。


アートは、本当に不思議な役目を果たす。
何が、実際に、どのように?と
その成果を伝えることは難しい。
が、何かが作用していると長年感じてきた。

 

 

Sちゃんの中学校生活は、
英語に興味が集中。



その集中力は、とんでもない能力を発揮した。
高校受験に見事合格。

 

もちろん無表情なりだが、
時折見せる笑顔は、
進化した感情で、嬉しい。

 

 

Sちゃんの笑顔が見れるなんてと
傍に立って
その成長を見てきた人たちにとって
信じられなかった。

 


弟は、お兄ちゃんの特別な知能と様子は、
お兄ちゃんの当たり前として
偏見では見ていない。
これも両親の接し方だったと思う。

 


野球部に籍を置いた次男の毎日の練習と
何を思ったか、ダンスに目覚めたSちゃん。
ちゃんと振り付けどおりに踊れるようになって
すっかりダンスにハマる。

 

信じられない!!こと!!


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たまたま学校の行事で、
ミュージカルのようなダンス形式の出し物で
県庁所在地にあるホールで、
無事みんなと一緒にその他大勢の中で
踊った!!ことは、
家族にとっても嬉しい出来事だった。

 

 


体を動かすこともあまりしなかったのに、
踊るということ。

 


人間の脳の働きは
何がどうなっているのかわからない神秘がある。

 

 

相変わらず感情を読み取ることは難しい。
が、何らかのしたいこと
好きなことが生まれて、
一生懸命、自分なりの取り組みをする。

 


なんと、可能な仕事に就けるように
大学を目指して、高校生活を送っている。

 

両親の焦らないで見守ると
待つという姿勢は、
そばで見ていて
大きな学びであった。

 

 

 

余談であるが、
記事に書こうと思う不登校の女の子の高校生活の担任は
Sちゃんのパパ。

 

 

子どもの目を摘まない、
子どもの自発的な思いをじっと待つ
素晴らしい教師だった。

 

 

この親があり、子どもが育つと
目の当たりにした家庭のあり方だった。

 

 

子どもたちが少し手を離れるたので
作家活動は支障のない程度に続けていた
教師を辞めていたママは、社会復帰。
美術館の企画と作家活動を思いっきりしている。

 


パパも現場が好きと、
悩み多き高校生の担任としても
大学及び大学院時代から続けてきた
個展開催とアート活動も
続けている素晴らしい教育者だ。

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muan舎 主宰・ 立見 迪子 (たつみ みちこ) 

 

アート、絵本、通して、
人の心に触れ寄り添い、
一人一人が持つ 心の歩みと
心の話を聴く立場が
多くなっていきました。

 

深層心理学 繋がったのは、
自然な道行き だったと思います。

 

今ここにいる 「私」と「あなた」
その かけがえのない 命の存在は、
愛おしく尊いものです。

 

私は、人が好きです。

一人一人生きてきた歴史が、
まるごと愛おしいと思うのです。

 

その一人一人の存在が
星のような輝きを 放つことを願っています。

 

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